 
「近視」について抑制方法を中心に新川中央眼科小川佳一院長に語っていただきました。
<取材協力>
小川 佳一 氏
(新川中央眼科 院長)
新川中央眼科詳細ページ
「メディカルページ平成23年度改訂版」
(平成23年12月10日発行)
の冊子に掲載された記事です。

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とても身近な眼の病気「近視」。前回は、眼の構造や、なぜ「近視」になるのかなど分かりやすく教えていただきました。
今回も「近視」について抑制方法を中心に、新川中央眼科 小川佳一院長に語っていただきました。 |
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■小川 佳一 院長 |
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近視の進行は眼球が成長することで生じます。この成長を抑制することができれば近視の進行が抑えられることになります。
近視の程度は視力では評価できません。近視の程度は網膜からピントの位置がどれだけずれているか、その距離で評価します。距離はジオプター(D)という単位で測ります。
近視の量(D)が一緒でも裸眼視力が違うことがあります。一般的に近視の量が1.0〜1.5Dぐらいになると眼鏡が必要になることが多いですが、0.5Dでも眼鏡を使用する方もいます。
近視の進行はこのDで評価しなければなりません。
近視進行の抑制に関しての研究は1800年代から始まっており、訓練、低周波、超音波、特殊眼鏡、薬物などいろいろな方法が試されてきました。
しかしこれらの方法は厳密な方法で試されていたわけではなく、経験的手法であったり、評価が客観的でなかったりと根拠のない民間療法となんらかわることがありませんでした。

2000年代に入って初めて科学的エビデンスに基づいた近視抑制方法が検討されるようになりました。
アメリカのOrinda Studyをはじめとするこれらの研究でわかっていることは、
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1)近視進行は遺伝的因子が最も強い 2)近視進行は都市部の方が早い 3)近視進行はI.Q.や学歴が高いほど早い 4)近視進行は近業(時間、読書数、視距離)が強いほど早い 5)近視進行は戸外活動で抑制される
です。巷で言われてきている近視進行の話は間違っていなかったことになりますね。
特に注目する点は、5)の近視進行は戸外活動で抑制されるです。近業作業の多寡よりも戸外活動の有無で近視の進行は3倍近く差が出ます。これは従来遠くを見るとピント調節をしなくて良いということではなく、強力な太陽光線によるドーパミン分泌促進と、縮瞳による高次収差の低減によるものと思われています。つまり室内から遠くを見ることにはあまり意味がなく、外で太陽の光をたっぷりと浴びて遊ぶことが大事ということです。
 
もっと積極的な方法としてはPALという特殊な設計をした遠近両用眼鏡の使用があります。この眼鏡はMioVisionという名前で発売されていますが、日本では販売されていません。コンタクトレンズやオルソケラトロジーという睡眠中に使う特殊コンタクトレンズも同様の効果があるとされています。しかしいずれも1年間で0.14D程度遅らせる程度です。通常近視の量やメガネの度数は0.25D単位で測りますので、1年間の進行量は誤差範囲になってしまいます。10年間で1.4Dと計算できるほど簡単ではなく、近視の進行の早い成長期の一時期だけの効果ですから実際には一生のうちで眼鏡の度数が1段階程度の差が出るくらいと考えられます。コンタクトレンズの使用に伴うリスクやコストを考えるとこの差に見合うものではないと思います。

現在最も効果が出ている方法はアトロピンという目薬を使うことです。この方法では1年間で0.65D程度の抑制効果があります。台湾の80%の眼科医が予防治療として処方しており、アトロピン治療導入後、台湾の強度近視の有病率が低下したと報告されています。
しかしアトロピン点眼の効果には散瞳と調節麻痺があり、薬が作用している時間にはピントが合わなくて近くが見えにくい、まぶしいといった症状が出るため日本では積極的に使用する眼科医はほとんどいません。

このように現時点では安全で有効性が高い方法はありません。
ただ、日常の中で、できる方法は「外でよく遊びましょう!」ということです。これからの時期、室内にこもりがちになりやすいですが、成長期のお子さんは積極的に外で遊ぶようにしましょう。
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◆寄稿:新川中央眼科 院長 小川佳一氏 |
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小 川 佳 一 氏 <新川中央眼科 院長>
Keiichi Ogawa
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■平成8年 旭川医科大学卒業
■札幌札幌医科大学眼科学教室で研修し、旭川厚生病院、苫小牧市立総合病院、
道立江差病院 医長(兼 札幌医科大学 医学部助手)を経て
■平成18年 新川中央眼科開業
●ハイテクノロジー専門学校 視能訓練士科 非常勤講師
●眼科コメディカル講習会 講師
◆札幌医科大学では斜視弱視外来のスタッフとして
斜視・弱視、先天性白内障などの小児眼科を担当。
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新川中央眼科 http://www.central-eye-clinic.jp/
札幌市北区新川3条7丁目1-64 TEL.011-769-1010 ■休診日/日曜・祝日 |
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